今回はGパン本体のかなり広範囲が擦り切れ寸前(または擦り切れてる)! そんな場合に使えるGパンの修理・お直し術を紹介だ。お気に入りのGパンを合体させて、歩く『洋服思い出アルバム』を作るぞよっと!!
0. 下準備
1) アップリケ布(=Gパンポケット布)の準備
今回は捨てる前に取っておいたGパンのポケットがたくさん集まっていることを前提として進める(ポケットについてはこちらに詳しくそのお利口さん度を解説中)。
例えばお子さんがいる人は。成長でドンドン着られなくなる、その子ども服のポケットだけでも取っておいてほしいのだ。
それを集めておけば、今回みたいに直されるGパンもモチロン寿命が伸び、ポケットたちも再び陽の目を見ることが出来るんだ。例えは微妙なんだけど、臓器提供をイメージしてもらえるとわかりやすいかな。
見事なコラボレーション、着て動く自分洋服史のパーティション、ああ、これぞ日本が世界に誇るもったいないスピリッツの無言のプレゼンテーション!!(で、もう品切れバリエーション…)
いや、そこまでポケットにアツくなれないし。今すぐ直したいし。そういう場合はお手持ちの好みの布(ここで不要の服の生地を使えば同じことだし!)を好きな形に切って貼ってくれてもいい。これから説明するやり方で応用OKだ!
大事なのはお直しに、ただ「修理する」だけではない「付加価値」をプラスすること。「ボロを繕って貧乏臭くヒツコク使う」のではなく「お気に入りの服をもっと長く使いたいから、自分仕様にカスタマイズしてさらにお気に入り度をUPさせる」その気持ちなのである!
この気持ちだけで全然ちがうぞ、モチベーション!(よし!まだあった)
2) ミシンの準備
今回の修理では基本ミシンを使用する。さて、最初に確認。キミが使うミシンは筒縫いができるかな?出来るものは例えばこんなミシンだ。
↗この下の部分がパカッと外れてジーンズの筒の部分を差し込めるもの。かといってスキニーのように細身で長いと入らないかもしれない。
ちなみにアタシのうちは JUKIジューキ 職業用本縫いミシン「SPUR30」(型番は違うが姉妹版)。これは筒縫いが出来ない。そこで一部手縫いで取りつけていく。
後でまた詳しく見るが自分の使用するミシンを確認しておこう。
※ミシンがない!あるけど嫌い!そんな人はこちらの記事へどーぞ
着物は無理でも和テイストは楽しみたい【ミシンいらずのGパン穴ふさぎ術】
1. ダメージ部分を把握する
そうした場所を覆いつつ、バランスよくポケットを配置する案を考える。
今回のGパンはその擦り切れ具合から次の3段階で取りつけることにした。
レベルa ; 裏に当て布をして補強したのちポケット布で覆う
レベルb ; それほどひどくないのでポケット布で覆うのみ
レベルc ; 傷んでないがバランス的にポケットとして取りつける
さて取り付ける位置が決まったところで、それら全てにミシンがセットできるか確認だ。アタシはaは出来るが、後は全てミシンでは縫えないことがわかった。 これを早めに確認して、自分の場合の手順を把握しよう。
2. a(ダメージ大)に当て布をして補強する(ミシン使用)
※ミシンでできない位置の場合はこちらで手縫い方法を紹介
まず薄くなっている部分の一回り外側を覆う布をGパンの内側から当て、布のギリギリでしつけをする(表側から見たときにここまで布があるのをアピール&めくれ防止)。
- 擦り切れているそばも弱くなっている。一回り大きめに補強しよう。
- 身体に触れる布だ。綿100%の伸縮しすぎず優しい肌触りの布を使おう。
表に返し、ミシンで縫って補強しよう。
写真のようにまずは繊維の流れに沿ってジグザグに縫う。終わったら今度は垂直にジグザグをする。
出来上がったのがこちら(修理だけならコレで終了もアリ)。
しかし付加価値、付加価値!もちょっと遊ぼう。
3. Gパンポケット布をダメージ部分に取りつける
1) ミシンを使う場合
もう一度取り付け位置にポケット布を置き、待ち針か仕付け糸で留めた後、ポケット布を縫っている糸とできれば同色・同じ太さでポケットのステッチ位置で縫いとめる。
できれば補強なので上部も縫ってポケットとしては使わないようにしたい(ポケットで使いたいなら2.の補強をしておこう)。
※厚みが出てくるので、これまた出来ればミシンの縫い針も厚地用を使おう(厚地用:#14〜18)。普通地用#11などを使う場合はゆっくり、特に厚い箇所は手回しで慎重に行うこと(針が折れると危険だし、けっこう折れて飛んだものが見つかりにくくてずっと危険)
2) ミシンで縫えない場合
ここからは筒縫いができずに手縫いでポケット布をつけなくてはならない場合の手順である。
まず。取り付けるポケットすべてに飾りミシンとして、ポケットのステッチ位置にステッチをかける。
できればやはり本当のときと同じ色・太さがいいが、まあお任せ。
出来上がるとこんな感じである。
さて。では取り付けよう。まちがっても他の布をいっしょにすくわないよう、厚紙や本(傷がついても惜しくないもの)などをはさんで作業を行おう。
この土台にプスッと針が刺さる感覚を感じてからすくいあげるときちんと縫えるはず。最初のうちは時々裏を返して確認しよう。
手縫いで縫う位置=外側の飾りステッチの上(ポケットのステッチは普通2列)。縫い目が多少ふぞろいでも飾りミシンはキレイにかかっているので気にならない。返し縫いでもいいが、5mmくらいの縫い目なら並縫いでも大丈夫だろう(下の画像参照)。
ポケットとして使用するときはステッチの外側+上+内側の上から1cmくらい?少し丈夫に取り付けよう。
縫い目があまりに荒いとズボンを履くとき指がひっかかってしまう。毎日のストレスになるぞ。急がば回れだ。丁寧にね!
↓ 裏からみたところ。ほぼ同色でよく見えない。ゴメン。
さあ、こうして全てのポケット布を取り付けていけば・・・
で・き・あ・が・り!オメデトウ!
※この写真・後ろポッケのお直し術は別記事のこちらで紹介中。
さぁ、自分や家族の懐かし服の復活だ!復活祭だイースターだ!祭りだ祭りだワッショイショイ!新しい服をイチから作るより
嬉しい・楽しい・素晴らしい・お直し、もうするしかないし!
おしまい。
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