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マイクロチップのメリット・デメリットをトコトン解説!【ペットと海外3】

【ペットと海外2】は、海外に行くなら必ず必要・マイクロチップの話。でもこれ。別に海外に行かなくっても装着すべき。そこで前半はマイクロチップをつけようかな?検討している人へ。そのメリット・デメリットをまとめたよ。

海外行きで急いでいる人は、次の目次から後半の必要なところへ一気にどうぞ!

マイクロチップって何?

マイクロチップは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。

それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。

環境省_マイクロチップをいれていますか? [動物の愛護と適切な管理]
   ↓ 
※このリンクに物差しの横に置いたマイクロチップの画像あり


大きさはお米を縦に2粒並べたくらいのもの。

 

私は何となくイメージで、入れる前まではこんなものを

体をメスで切って入れるのか(20世紀のSFな感じ?)と思っていたが全然違った。

 数字15ケタの意味はこんな感じ

39214XX00000001

392:国番号(日本)
14:動物コード(ペット)※牛10、馬11、豚12
XX:メーカーコード   大日本住友製薬(株) 80
                                        富士平工業(株) 10
                                        株式会社共立商会 30
                                        サージミヤワキ(株) 50
残りの桁:個体番号

 

痛くないの?こわくないの?

そんな米つぶを縦に2個の体内への入れ方は、

ちょっと太めの注射器のようなもので首の後ろ(背側頚部の皮下)にチク!普通のワクチンとほぼ一緒。約1秒で終わりである。なんせ

 

f:id:miyumasi:20161102103000j:plain

のイメージでいたので、挿入の針を見たときに

ちっちゃ!

と、ついツブやき、ハレルも眉をしかめもしないで終わってしまったが。

 

※当然個人差があります。

 

人によっては「え?そんな太い針で…」と思うかもだし、デリケートなワンちゃんネコちゃんでは、装着時に暴れたりするので麻酔をして行うこともあるようだ(もちろん麻酔代は別料金)。

とはいえ日本獣医師会によると

マイクロチップの埋込みによる動物への障害はほとんどありません。日本国内で、動物体内に埋込んだマイクロチップの副作用、ショック症状等についての報告は、今までに1件も寄せられておりません。

ということなので、それほど怖がる必要もないだろう。ただ後でデメリットでも述べるが、あんまり小さいうちはやめておいた方がいいようだ。 

それぞれ5つのメリット・デメリット

メリット5つ

  1. 首輪や鑑札がなくても個体認識が可能=迷子さがし◎
    マイクロチップが日本で注目されたのは東日本大震災の後から。パニックで逃げたり飼い主とはぐれてしまった子達。その飼い主探しで大いに役立ったのがマイクロチップだった。そうしてだんだん普及しだした。


    2010年度末に約45万件であった登録数が、2016年11月2日現在は約141万件に(犬:1,128,727件、猫:277,044件、その他:4,391件)。この6年で約3倍になっている(動物ID情報データベースシステムより)。

    と言っても、まだまだ充分ではない。
    ちょっと年がずれるので正確ではないが2015年の全国の飼育頭数(犬:991万7千頭、猫:987万4千頭)のデータを使ってマイクロチップの装着率を出してみると、

    犬:約10% 猫:約3%
    という結果に。つまり日本の全部のワンちゃんの一割しかマイクロチップがついていないということ。まだまだ充分広まっていないというのが現状である。

    ちなみに平成26年度に保護された犬・猫のうち、飼い主の元に戻れたのは犬が約28%、猫はたったの約0.3%だそうだ(環境省の調査より)。
    では戻れなかった子は?新しい里親?動物愛護センター?殺処分???

    ともかくマイクロチップがついてれば飼い主に連絡が来るので発見は間違いなく簡単になるのだ!


    ◉イヌの場合
    散歩の時だけ鑑札がついた首輪や裏に電話番号が書かれたハーネスをつけていて、おウチでは何にもつけていない我が家のハレル。
    「狂犬病予防法で犬の鑑札と注射済証の装着は義務つけられてる」んだけど、実際アレ。薮のなかをゴソゴソするのが大好きなんで、たいてい一年持たずにどこかに落としちゃうんですけど…
    ついていないときに迷子になったとしてもちょっと安心だ。

    ◉ネコの場合
    首輪そのものが結構問題で、いろいろ事故がおきている。
    逃げたあと栄養不足で痩せて首輪がゆるくなった結果たすきがけ状態になって身体に傷を負ったり、首輪が引っかかって木などにぶら下がって窒息したり…
    それもマイクロチップで解決である。そして首輪をつけるなら、力を加えたら外れるタイプ(セーフティ首輪などで検索!)にしよう!

  2. 一生使えて書き換えできない=盗難に威力!
    一度体内に埋込むと、脱落したり、消失することはほとんどなくデータが書きかえられることもないため確実な証明になります。
    リーダーから発信される電波を利用して、データ電波を発信するため、電池が不要で、半永久的に使用できます。(先の環境省ページより)
    私:「これはウチのハレルだ!」
    ハ:「ワン!(砂肝くれたヒト♡)
    盗人:「いやいや、我が家のドン・ホセだ!」
    ハ:「ワン!(鳥レバーくれたヒト♡)
    大岡越前「ううむ。見たところどちらもまことの飼い主のようじゃ。では両者でそれぞれ前足と後ろ足を引っぱるのじゃ…」

    なんてことをしなくても、リーダーをかざすだけでホントの飼い主はすぐわかる。整形手術でもごまかせない。電池要らずも安心だ。


  3. 遺棄の防止・抑制=無責任な飼い主を減らせる?
    逃げた子が飼い主のところに戻れるということは、棄てられた子の飼い主も見つけられるということ。しかしそのためにはマイクロチップの義務化が必要だ。

    じっさい環境省では、平成30年までにマイクロチップ装着の義務化を検討すると言っている(「動物の愛護及び管理に関する法律」附則第14条および15条(平成24年9月改正)。

    河原や山中でたくさんの犬が捨てられている報道をよく見聞きするが、この義務化によって少しでも悪質業者や無責任な飼い主が「簡単に捨てる」ことへの抑制になるのではと、私は大いに期待している。

    ※ちなみに国レベルで義務化している国※
    スイス・フランス・ベルギー・ポルトガル・オーストラリア・ニュージーランド・デンマーク・シンガポール・台湾・香港など

    ※特定動物(危険な動物)や特定外来生物などでは、日本でもマイクロチップがすでに義務化されている

  4. 体温測定ができるマイクロチップもアリ 
    肛門検温が嫌いで暴れる子には朗報?
    リーダーを近づけるだけで体温が測れるマイクロチップがある。挿入だけちょっと負担だけど後は一切の身体への負担なしってことだ。これも長い目で見たらデリケートな子にはいいかも。

    装着を検討する場合は、必ず事前に獣医さんに相談しよう。
    ※ウチは何も説明ないまま体温測定機能なしを注入されたよ。今回調べてこんなのがあるんだ!と初めて知った。


  5. 装着していると有利になるペット保険もアリ
    これは保険を検討するときに是非チェックを!

デメリット5つ

  1. 飼い主の金銭的負担
    マイクロチップは獣医さんだけができる処置。そこで各診療所によって違いがあるがだいたい数千円くらい。それにデータ登録料で別に1,000円かかる。
    ※ハレルの場合:計5500円(2015年1月装着)

    ただし市区町村によっては助成が出たり(横浜市の例)、イベント会場で無料で装着できるキャンペーンがあったりするので、是非おウチの周りの情報をまずは集めよう(◯◯市 マイクロチップ 助成などで検索)!


  2.  ペットの身体的負担
     先に述べたように日本国内で特に事故や副作用の事例は出ていないが、チワワなど身体の小さな子で針が奥まで達してしまい正しい位置に装着できなかったなどの例がかつて外国で数件起きていたようだ。

    生後、犬は約2週間、猫は4週間より注入が可能ということだが、ある程度身体が大きくなってからの方がいいだろう。
    特に大人でも身体の小さい子は、かかりつけの獣医さんに相談してみよう。

    そしてもちろん装着は体調が万全な日に行い、つけた当日は激しい運動は控え安静にね(身体のなかでマイクロチップが移動しないようにという意味もあるらしい)。


  3. マイクロチップリーダーがないと識別できない
    迷子の子を保護しても、普通の人はまず読み取り機(リーダー)を持ってないから無理。警察や保健所なんかに連れて行かないとわからない。やっぱり鑑札や迷子札もあったほうがBETTERってことだね。

    とはいえ以前は全ての保健所にリーダーがあるわけではないため不便もあったようだが、今はかなり普及しているし獣医さんも持っているので、比較的簡単に近場で読み取ることができそうだ。


  4. 世界で規格が統一されていない
    海外に行かない人はこの項は飛ばしていい。
    日本で流通しているのはISO11784/5に準拠しているFDX-Bという規格で、世界で主流のタイプ。しかし海外(とくに合衆国)では別のタイプが未だ主流だったりして、その場合マルチリーダーでないと読み取れないことがある。
    ※この日本と別タイプのマイクロチップが流通している国の情報は このページ内のこちら


  5. MRI検査で画像に乱れが起こることあり
    起こる可能性はあるが、ほとんど影響がない、ということらしい。一応MRIの検査の前に獣医さんに「ウチの子はマイクロチップが入っています」と伝えておくといいだろう。

マイクロチップを埋込んでいても、レントゲン撮影(マイクロチップが写りますが)やCTスキャン操作は支障なく行えます。MRIの画像は乱れることがあり、一般の動物病院等にある磁束密度が0.5T(テスラ)のMRIでは影響はほとんどありませんが、1.5T以上になるとマイクロチップに内蔵されているフェライトコアの影響で画像の歪みが認められます。しかし、磁界によってマイクロチップから発生する力はごく僅かであり、動物の体内における影響は認められません。また、メモリの消去、変更等もなく、MRI使用後のマイクロチップ番号の読み取りに支障はありません。日本獣医師会のページより

  

 

さて。日本にいる場合はマイクロチップのつける、つけないの決定権は飼い主にある。でも海外に行くとなったら。好むと好まないにかかわらず、付けなきゃいけない場合があるよ。次からはそこらへんの事情。

 

海外に行くときのマイクロチップ事情

海外行くならマイクロチップを装着しよう!

理由1)

日本では2004年に「犬等の輸出入検疫規則」が改正され、動物を日本へ輸入する場合にはマイクロチップの埋込みが義務化されているから。


つまり日本に帰ってくるときには絶対にマイクロチップが必要なのである。

向こうに永住!絶対に帰ってこない!
うーん。そっちの絶対はわからない。

 

理由2)
相手国の入国の際にもマイクロチップ装着が義務の国も多い。

そこで日本に絶対帰らない!って人もまずは入国する国(複数ならすべての国)がマイクロチップ装着を義務づけているか調べよう。一国でも義務としている国があるなら装着しなくてはいけない。

 

入国する国によっては 入れない方がいい?

  • 入国時に義務とはなっていない国に入国する。
  • マイクロチップの規格が日本(ISO規格)と違うものが主流。
  • その国に一生住もうと思っている(日本には来ない)。

以上の3つを満たすような場合は急いで入れないで現地で入れた方がいいと思う。理由はこちら。

  • 日本を出るのには別にマイクロチップは要らない
  • 日本でISO規格を入れても行った先で違う規格が主流なら、読み取れないことを見込んでリーダーまで買って持っていかなくてはならない

 

このへんの最新事情もやはり相手国の在日大使館に直接問い合わせよう。ネットで調べても今の状況と違う場合は本当に多い!

 

ちなみにデータ年は不明だが、日本獣医師会のページによると次の通り。

ヨーロッパ、オセアニア、日本を含むアジアの一部:ISO規格

アメリカ、カナダ、香港、台湾などアジアの一部:他規格と混在

 

装着の時期は早い方がいい    

  • 2年以内で帰国が決まっている短期旅行の場合
  • 海外は2年以上だが、帰国する時に外国での待機期間を180日なんて面倒くさいことをしたくない場合

これに当てはまる人(犬)がしなくちゃいけない、ちょっと時間的にも手続き的にも(金銭的にも)面倒くさい「狂犬病抗体検査」で関係してくる。

詳しくはこちら

今ザックリ説明すると、マイクロチップ装着後に2回以上の狂犬病予防接種をしてからじゃないと受けられない検査でね。だから早いうちに装着しとけば通常の一年に一回の狂犬病の注射の証明書がそのまま使えるけど、行く前に慌ててマイクロチップを装着しても、そこから2回も狂犬病注射をしなくちゃで、間は30日以上空けなきゃだし・・・

ともかくめんどうなの!

なので装着は早い方がいい。でもあんまり子犬・子猫のうちはやめといてね!(デメリット2参照)

 

まとめ

マイクロチップ5つのメリット

  1. 安心・安全な身元証明。迷子さがしが簡単になる
  2. 盗難の防止・抑制
  3. 遺棄の防止・抑制
  4. 体温測定もできるマイクロチップで検査の負担軽減
  5. ペット保険で有利の場合も

マイクロチップ5つのデメリット

  1. 飼い主の金銭的負担(数千円)
  2. ペットの身体的負担(日本で事故や副作用の例はないものの幼少期は避けた方がいい)
  3. リーダー(読み取り機)がないと意味がない
  4. 各国で規格が統一されていない
  5. MRI検査で画像が乱れることがある

海外へ行くときのマイクロチップ事情

  • 国により違うので最新の情報入国する国の大使館に確認
  • 帰国時には必ず必要なので早めに装着を検討する

 

私はマイクロチップ賛成派だけれど、文句も言えないペットの体内に異物を入れることにはちょっと罪悪感もあったりする。
でもメリットの大きさと、後は海外に行くこと(あんまり帰ることは考えてないけど急に帰るときにバタバタしたくないので保険として)を考えて装着したよ。

そこでコレを読んでくれたあなたも!

  • メリット・デメリットをじっくり検討して
  • おウチの子の大きさや性格なども考えて
  • 獣医さんにも相談して・・・

そうしてあなたとペットに一番いい選択を、

 

おしまい。

 

【ペットと海外シリーズ】
◉このカテゴリーの概要◉
2017年1月。日本からメキシコへのみゆまっしー(モンゴロイド日本語族176cm♀)とハレル(MIX犬18.5kg♂)の海外移動の備忘録&手続きのまとめ。他の動物や国へのことも触れつつまとめる予定!

◉このまとめのTOPページ・目次はこちら
ペットと一緒に海外に行こう!

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