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ウマいサルサがいっぱいあるさ【メキシコ料理事情4】

※今週一週間は過去のメール焼き直し【海外生活】ネタを掲載中!※

 

Date: Sun, 27 Nov 2005 05:53:16 +0900 (JST)

 このメールの前半はこちら。

それでは後半である。....................................................................

Subject: メキシコ料理事情・4

さて次はサルサsalsaについてちょっと補足。

スペイン語でサルサとはソースを意味し(音楽の一ジャンルでもあるが今回は言及しない)、醤油はsalsa de soya(豆のソース)、ウスターソースはsalsa inglesa(英国ソース)…などというが、メキシコで一般にただサルサといったら赤または緑のチリベースのソース(タレといったほうが適当かもしれない)のことである。これはまさにメキシコの醤油ともいうべきもので、日本の食堂の各テーブルに必ず醤油があるように、こちらではこのサルサが小鉢に入って必ずといっていいほど常備されている。

 

赤のサルサsalsa rojaはトマト、生のチリ、にんにくと塩で、緑のサルサsalsa verdeは緑のトマト(註1)、生のチリやシラントロcilantro(コリアンダー・パクチーのこと)なんかで作るのが一般的だが、これがまたそれぞれ店の味・家庭の味があり、微妙に味が違う。最近はいっちょ前に「ここのはトマトの酸味が強すぎる」だの「水っぽくてマズい」だのと、いっぱしのサルサ通・チリ通を気取っている私。ううむ、さすが地理科出身…とつまらないシャレを言っている場合ではないのだが。

  • 註1)これは単にトマトが青いのではなくまったく別の種類である。外観は熟れていない「ほおずき」のお化けといった感じで皮がかかっている。ちなみにメキシコではこっちをtomateといい、いわゆる日本やスペインでいうトマトはヒトマテjitomateという。さすがチリもトマトも原産地だけあって種類の豊富さには脱帽!である。

 

ともあれ今までさまざまな場所で食べたサルサのなかで一番!という白眉は、Aのお父さんの作るサルサである。サルサの作り方は大きく分けて二通り。ゆでてミキサーで仕上げるか、焼いてモルカヘーテmolcajeteという石や陶器製のすり鉢みたいのでゴリゴリ仕上げるかである。

※重い思いして持ち帰ったミキサーとモルカヘーテ

 

間違いなく後者の方が時間がかかるが多くの人がこっちのほうがウマいという。お父さんはもちろん後者のやり方である。そこで父さんに作り方を伝授してもらい、ソチミルコの市場でモルカへーテをゲットし、さっそくAと家で実践してみたのだが、何度やってもお父さんの味はでないのである。実は教えたくない秘伝の技がまだあるのでは…と疑ってもいるが、一つ考えられるのはこれまたチリの違いである。

私たちはいつも八百屋や市場で買うチレ・セラーノという種類を使っているが、お父さんは自宅に植えているチリの木から取ったもの(種類はわからないが非常に小さくてまさに「猛禽類の爪」といった形をしている)を使っているのだ。いくら2センチくらいの小さいものだからって、トマト中4個に対しこれを30個も使うというんだから半端ではないが、今度このチリを使ってチャレンジしたいものである。

 

とはいえ実を言うとせっかく買ったモルカへーテだが最近はトンとご無沙汰である。これはAのお母さんの料理講座の際「私はいつもミキサーよ。味は変わらないもの」と耳打ちされ、つい手抜きを考えてしまう私がもっぱらミキサーで仕上げてしまうせいである。

作るのが面倒というよりは片付け・洗うのが面倒ともいえる。Aは「うまい!」と喜びすっかりダマされているし、まあいいか、というところ(彼が自分で作る時は今でもモルカへーテ)。しかし眠ったままでは可哀想だから、今度これでゴマをすって胡麻和えをしよう!とモクロんでいるが、うまくいくかどうかは謎である。

 

そんなこんなでメキシコ料理を語ることとは、すなわちチリを語ること、と言えるが、この辛いメキシコ料理とセットとも言うべき薬について語らなければ片手落ちだろう。

 

この薬、そのへんの普通の食品屋でも1,2ペソで手に入るsal de uvasというもので、簡単に言えば重炭酸ナトリウム=重曹。んでもって胃炎の薬である。

この国に来ればあちこちで水にこれを溶かして飲んでいるメキシコ人に遭遇できるはずだ。そう、彼らは辛いのが好きといっても体はその辛さに耐えられず、しょっちゅう胃炎を起こしているのである(モチロンどんなに辛くても平気の平左という人もいる)。Aもたいていサルサをたっぷりかけて食べた次の日はこの薬のご厄介になっている。

 

腹を壊すくらいなら量を加減しろよ…と言いたくなるが、わかっていてもウマイからついついたっぷりかけてしまうのだとか。メキシコ人ってアホだなあ…と思うのであるが、彼らにしてみれば死ぬ危険性のあるフグをありがたがって食べる日本人のほうがよっぽどアホだと思うそうなので、まあどっちもどっち、というところだろうか。

 

フグが出てきたところでメキシコ料理のゲテモノ系について語りたくなってきたが、例によって長くなってきたので今回はこのへんで。特に気分が変わらなければ次回これをお送りするつもりである。

宿題になっている海賊版天国の話も忘れたわけではないのだが、この国、本当に面白いこと、伝えたいことが山ほどあって嬉しい悲鳴といったところである。皆さんから質問があれば出来る限りお答えしたいと思うので、こちらも嬉しい悲鳴をあげるほど届くのをお待ちしている。

しかししょっちゅうパソコンの前に座っている訳にもいかない。さて、そろそろ仕事でもしようか。

以上、メキシコは首都メヒコのソチミルコからみゆまっしーでした。GRACIAS!(2005,11,22)
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なんだ。10年前も今も同じじゃん。

話長い。仕事やばい。食い意地タロウのみゆまっしーでした。

 

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