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ムシはダメよ?ゲテモノ事情【メキシコ料理事情5後編】

※この写真はイメージです

※今週一週間は過去のメール焼き直し【海外生活】ネタを掲載中!※

 

季節真逆のこの日のメールの後半をお送りしよう。どぞよろしく!

Date: Fri, 16 Dec 2005 06:58:51 +0900 (JST)

Subject: メキシコ料理事情・5(後編)

※ちなみに前半はこちら

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では。お次は昆虫系を3種紹介しよう。

 

一つ目はこれまた一般的で道端でおばさんが籠にいっぱい入れて売っていたりするチャプリンchapulinバッタをまるごと炒めるか揚げるかして、チリパウダーがまぶしてある酸っぱ辛いスナックである。

 

私の両親の食に関する教育はとても素晴らしかったので、前述のカラスミやキャビアなんざ食べたことがなかったが、イナゴの佃煮クサヤなどは幼少のみぎりより常に慣れ親しんできたため基本的に好き嫌いもなく、世界で人が食べているものなら取りあえず口にすることができる私(単にイヤシイだけ)。

サンミゲル時代、路上で言葉を交わして親しくなった女の子に「食べる?」と薦められつまんでみたが、チリパウダーの味の強さでこれまた臭みもなく、多分チリパウダーをまぶすためレモンがかかっているのだろう、ちょっとシンナリした食感だった。もうちょっとカリカリしているほうが私の好みかも、と思ったが自分の好みに自前で作りたい、と思うほどではない。まあ、時々人から貰ってつまむ程度で充分である。

 

 

もう一種はまだ食べたことがないので味はわからないフミレスjumilesという虫Aのお父さんの故郷であるゲレーロ州(銀の町タスコやメキシコの熱海・アカプルコのある州)の郷土料理らしい。

 

先日Aの弟Rの誕生日パーティがあって、その席でお父さんが自慢げに「これはうまい。生きているのをそのまま食べたりするんだ。」と語っていたところ同席していたRの奥さん側の親戚のおばさんは顔を引きつらせ非常に嫌そうな顔をしていたので、どうやらこれはそれほど一般的ではないようだ。

(蛇足だが私が中学生のとき、ごはんの上にイナゴの佃煮を数個のせたお弁当を食べていたところ、覗き込んだ友人にギャーっと叫ばれ、その後しばらく避けられたような記憶がある。ご飯にちょっと味が沁みこんだそれは私の大好物だし、イナゴにしてみても生前飛び回っていた米のそばに再び戻れて幸せだろう、という気がするのだが、どうやらコレも全ての人が幸せ、というわけにはいかないらしい)。

 

ともあれ、どんなものか今度ゲレーロ州に行った際是非とも挑戦してみたいが、さすがに生きているのはカンベンである。煮込んだりした一品料理もあるらしいのでせめてこっちを…と思っていたのだが、今横にいるAにどんな虫?と聞いたところ「ゴキブリみたいな感じかな」と言われ、かなり挑戦の意欲が減退した。

あのおばさんのように私がさも嫌そうな顔をしたのだろう。「いや、ちょっと違うな。こんな感じ…」と、今度はおにぎりみたいな三角形の体から足が出ている、どうみてもゴキブリには見えない、強いて言えばクモみたいな、どちらにしても更に食欲が減退するようなヘタクソな絵で図解してくれた。

まあ、百聞は一見に如かず。自分で見て口にしてからこの報告の続きを書いたほうがよさそうである。

 

 

最後に。虫といえば日本でも手に入るオアハカ州の酒、イモムシ入りメスカルmezcal(竜舌蘭蒸留酒の総称。テキーラもその一部)がある。

日本の輸入食材屋でこれを買った際、ビンに一匹沈んでいたほか、2,3匹乾燥したこの虫が袋に入って「つまみ」としてビンにくくりつけられていた。食感はカリカリしていて腸の部分がちょっと苦かったと記憶しているが、この虫、竜舌蘭=マゲイの葉につくgusanos de magueyといい、から揚げにしたりして酒とは別に単独でも食べるようだが、これもまだメキシコに来てからは食べたことがないから今ひとつよくわからない。

 

せっかく4ヶ月間オアハカ州のプエルト・エスコンディードに住んでいたのに、もったいないことをしたとちょっと後悔だが、この虫は結構メキシコのどこの地域でも食べられるそうなので、そのうち挑戦の機会もあるだろう。

 

 

別にグルメでもなく食文化への旺盛なる追及心もないかわり経済観念だけカナシクも発達してしまった私は、どこに住んでいても安い食材でできる「なんちゃって日本料理」や「なんちゃってメキシコ料理」「なんちゃって中華料理」「なんちゃってフランス料理」…を基本的に自宅で作って食べ、それ以外は人のうちでご馳走になるか、飲み物・トルティージャお代わり自由、スープにご飯にメインディッシュ(メキシコの大衆的肉料理や魚料理)これら全てを20ペソ(200円)くらいで食べられる市場の食堂の定食を食べるくらいだから、やっぱりなかなか変わりダネの食材や料理にはありつけないのである。しかしこのメールを書いていて、この自分の食生活の若干の見直しを考え始めた。

 

食材の富んだ、特に野菜や果物の種類の豊富なこのメキシコで、慣れ親しんだ食材だけで料理を作るのはもったいないというもの。せっかく親から貰った丈夫な胃許容範囲の広い舌があるのだから、現在使用法がわからず手にしていない食材にもう少し果敢に挑戦して自分のレパートリーを広げるとともに、メキシコ料理をもっといろいろ知るため、外食でも安さだけを基準に選ぶのではなく、食べたことのないものに次々挑戦していきたいと思い始めたのである。

それほどメキシコには料理に季節性やクリスマスや新年にはこの料理!というような特別性はないそうだが、それでもこの時期によく食べられるもの、というのはあるらしい。ただでさえパーティ好きのこの国民が一番忙しい時期というクリスマス前後の現在、私も数々のパーティに顔を出して色々な人と食べ物の話題で盛り上がっているが(この話題が一番無難だし、世界共通なぜか盛り上がるため)、ここで仕入れたネタ、今の時期よく食べられるという、しかしまだ食べたことのない、バナナの葉だかに肉やチリのサルサを詰めて蒸して作るというミショーテmishiote、これをまずは食べなくっちゃ!と意気込んでいるところである。

 

以上、メキシコは首都メヒコのソチミルコからみゆまっしーでした。GRACIAS!


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