アタシみゆまっしー。モノが増えるので基本的に本は図書館で借りる。ハズレをひいても、途中でやめて返せばいいだけだし。すっごく良かったら買ったりもする。いわゆる2週間の無料お試し期間を体験できるってやつだ。
で、先日ある本のついでにこんな本を借りてきた。
山口理著『むかしの言葉(国語おもしろ発見クラブ)』 偕成社
小学生向け漫画つき日本語の解説書で、現代では意味が変わった古語をとりあげたりしている。さっくり読めて実にオモシロかった。借りて読むのにおススメである。
さて。今日はそんななかから、この言葉を取り上げよう。
あした
今では「明日」。つまり「今日の次の日」の意味が一般的だが、もともとの意味は「朝・あさ」である。はじめは「あけしだ(明時)」と言っていた。「夜が明ける」の「明け」に「時」を意味する「しだ」がくっついたもの。これが変化して「あした」になり、次第に現代の意味の「翌日(明日あした)」になっていった。
※「しだ」 …するとき、…する際(SHARP電子辞書:スーパー大辞林より)
のだそうな。
確かに今は、「あした」と言っても「あさ」のこととは思わない。
…はずなのだが。ところがどっこい!
今でもしっかり「あした」=「あさ」は生きている。
先ほどちょろりと出た。アタシの相棒・電子辞書君に活躍してもらおう。
「あした 」と打って出てきた見出し語の漢字がイキナリどうだ!
【〈明日〉・朝】
じゃないか!意味もちゃんと「古語」とか言われずに「朝」の意味も載っている!(3は翌日の朝、という合体版まで載っていて、こりゃもう笑うしかない)
今でもあした=あさは現役バリバリ君なのだ。
疑っているキミに電子辞書君がさらなる証拠を見せてくれるぞ。
メニューから「4故事ことわざ四字熟語」に飛ぼう!
「あした」でヒットしたものがこれだ!
- 朝(あした)に紅顔ありて夕べに白骨となる
- 朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可なり
- 朝(あした)に夕べを謀らず
- 明日(あした)は明日の風が吹く
なんと4つ中3つがあした=朝ではないか!
せっかくの辞書君だから、それぞれ意味を載せておこう。
朝(あした)に紅顔ありて夕べに白骨となる
この世の中のことはみなはかなくて定まることなく、人間の生き死になどとうてい予測できないということ。朝(あさ)健康そうな血色のいい顔をしていた人が、夕方には白骨と化してしまうの意から。
Today red,tomorrow dead.(今日跳んでいるのが明日は死んでいる)
朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可なり
心理・道徳の尊さを説いたことば。朝(あさ)正しい道理を聞いてその道理の真意を理解できたなら、たとえその日の夕方に死んだとしても構わないの意から。
朝(あした)に夕べを謀らず
朝(あさ)は朝のことで精一杯。とても夕方のことなど考えるゆとりがないということ。事態が差し迫って余裕のないことのたとえ。
明日(あした)は明日の風が吹く
人生、あまりくよくよせずに、なるがままに任せて生きよということ。
ふむ。今後も生き残ってほしい「あした=あさ」である。ま、ちょっとフツーに会話で使うとややこしいが。こうした故事やことわざが「あさに道をきいたら夕方死んでもよし」みたいになっちゃうと、なんかね〜コトバの重さが違うのよね〜。
ま、明日は明日の風が吹く。この軽さも大事だけどねっ!
さて。この「あした=あさ」。実は日本語だけじゃないのよ,この関係!それはまた次回に。今日はおしまい。またね!
※投稿後URLをいじったらその前に付けてもらってたはてなスター全部消えた。押してくれてた皆さんゴメンなさいm(_ _)m
◉これがその次回という名の続きのSET記事◉