すっかりご無沙汰だった、月曜テーマ【日本語】。あいうえお表は、あれはあれで日本語の発音ルールを教えるのには便利だけど、便利じゃなくっても趣のあるいろは歌のイロイロを今日は紹介するよ!
まずはおなじみ・いろは歌
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
色はにほへど 散りぬるを
我が世たれぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
-
これが収録されている最も古いものは1079年に成立したとされる『金光明最勝王経音義』。ってことはもう平安時代には作られていた(だからマンガの「あさきゆめみし」も時代的には間違ってない!)。
夜露死苦 愛羅武勇
ちなみにそちらでの表記は万葉かな(当て字)のコレ
以呂波耳本へ止
千利奴流乎和加
餘多連曽津祢那
良牟有為能於久
耶万計不己衣天
阿佐伎喩女美之
恵比毛勢須
こーいうのをみていると昭和のアタシは塀の落書きでよくあった
魔苦怒奈流怒
なんかを思い出す(全部読めたかなw)。昭和ヤンキーは万葉人だったのだな〜。でもって時々漢字間違えちゃってたりするのもご愛嬌だった。
もしかしたら元祖?あめつちのことば
あめ つち ほし そら やま かは みね たに
くも きり むろ こけ ひと いぬ うへ すゑ
ゆわ さる おふせよ えのえを なれゐて
天 地 星 空 山 川 峰 谷
雲 霧 室 苔 人 犬 上 末
硫黄 猿 生ふせよ 榎の枝を 慣れ居て
- 源順(みなもとのしたごう911-983)の私歌集にあるらしい。この人の生年からいって、「いろは」以前かも、である。
- 48文字でエが二回。これはア行とヤ行の「エ」を当時は区別していたかららしい
- 後半3つはカンペキ余りもの消化作戦な感じだが、最初の8つあたりは本当に美しい。ザ・和語!といった趣きがハイオク満タン!である。
- 今回改めて調べるまで、最初のあめは雨だと信じていた。
さて、ちょうどこの二つの間に成立?はこちら。
大為爾の歌(たゐにのうた)
たゐにいて なつむわれをそ きみめすと
あさり(お)ひゆく やましろの
うちゑへるこら もはほせよ えふねかけぬ
田居に出で 菜摘む我をぞ 君召すと
求食り追ひゆく 山城の
うち酔へる子ら 藻〈藻葉〉干せよ え舟繋けぬ
- 源為憲(みなもとのためのり)が970年成立の『口遊(くちずさみ)』に載っている。
- 学習用らしい。でもなんだかピンと来ない。ふーん、くらい。ゴメン
明治のいろは歌・鳥啼歌(とりなくうた)
とりなくこゑす ゆめさませ
みよあけわたる ひんかしを
そらいろはえて おきつへに
ほふねむれゐぬ もやのうち
鳥啼く声す 夢覚ませ
見よ明け渡る 東を
空色映えて 沖つ辺に
帆船群れゐぬ 靄の中
明治36年(1903年)に万朝報という新聞に、新しいいろは歌(国音の歌)が募集された。通常のいろはに、「ん」を含んだ48文字という条件で作成されたものである。一等には、坂本百次郎の以下の歌が選ばれ、「とりな順」として、戦前には「いろは順」とともに使用されていた。いろは歌 - Wikipediaより
- とてもキレイ!ちゃんと世界観も広がってます!今の時代だと「ひんかし」「群れゐぬ」あたりが使えないから残念だ!
ちなみに最近でもこうした公募展があったらしい。作品もいくつか紹介されてる。詳細はこちらの「いろは道楽会」さんからどーぞ!
いろは歌 現代いろはうた 作品募集 金賞1万円
さいごに・平成のいろは歌
では、最後はまさに現代のいろは歌をYouTubeで発見!りりかるりりくんさん、ありがとう!
歌詞もまさに現代ですなー。
まとめ
いろは歌イロイロいかがでした?ひらがな全部を一回ずつ、という縛りのなかで、みんなすごいなあ〜と感心するばかり。日本人の言葉遊び文化ってダジャレも含めて21世紀も30世紀もずーっと続きますように!
おしまい。
今日の参考文献その他)
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