今日は愚痴です。
私は日々、このNOと言えないメキシコ人に苦しめられているのです。直近の実害はアタシのチョコアイスです。まあ、聞いてやってください。
そもそもは引っ越しから始まった
アメリカとの国境のメキシコ某市の某私立学校。ここの中学・高校で必須科目に何故か日本語があり、その教師としてやってきたのがこの1月。
※この中途半端な時期の理由はこちら↓
来た当初は先輩日本人さんと同居でした(個室あり・他共用)。
でもその方はアレルギーがあってハーちゃんの毛がなんとなくイヤみたいで、こちらも気兼ねしてなるべく部屋から出さないようにして…とお互いの妥協点を探りつつ暮らしていたんですが。
なんてことはない。学校はもう一軒家を持ってるんです。
それも徒歩15歩のところに(↓この距離)。
で、4月の2週間のセマナサンタ(イースター)休暇に、学校のいわゆる用務員さん達が壊れた天井など修理&掃除をしてくれて、4月末、私とハーちゃんはこっちに引っ越したのでした。
※ちなみに住居は給料のうち。水道・光熱費もタダ
引っ越しの前は大風呂敷だった
ちなみにこの用務員を統括しているチーフは、この学校の出身、ということで日本語もちょろっと覚えている陽気な青年・アンドレイ。
引っ越しの話が出る前から、校内で会えば
「オハヨーゴザイマス。オニ!元気?」
※何故か「鬼」と「犬」を間違えて覚えてしまっている
そしていろいろこっちの生活情報を教えてくれる親切なヤツでした。
※「陽気で親切」というより「調子いいだけ」というのが今の見解。
ともあれ。引っ越しが決まり、まずは新しい家を一緒に下見したときは…
「この天井は直すよー。
この壊れたソファーの足も、このミニテーブルも直さなきゃ。
この勉強机用の椅子もいるだろう。
冷蔵庫は小ちゃいな。買い替えよう!
電子レンジもないし。他は?
何か欲しいものはあるか?
何でも言ってくれ!」
アタシはドラえもんを手に入れたのび太状態。
そう言われたらモチロン言うでしょう。
「えっと〜まずは圧力鍋とジューサーミキサーでしょ※どちらもメキシコ料理には必須。
それからココとココにハンモックを下げる金具を取り付けてほしいな。
ほうき・ちりとり・モップにバケツも欲しいし。
え?水切りかごもないよ。ダメじゃん。
ってかココ、カーテン下げるものもないんだけど!これ絶対。それから…」
アタシも欲張れるだけ欲張って希望をワンサカ伝えました。
するとさらにアンドレイは
「壁の色も塗り替えるか!みゆまっしーは何色が好きだ?言ってくれ!」
…いや。それより早く引っ越したいし。
さすがにそれは遠慮して(なぜか残念そうなアンドレイ)、ともかく必要物品・やることリストを二人で嬉々として作ったのでした。
さて。さすがにヤバい天井の修理と掃除を終え、引っ越し作業も済んだ後。直属の上司(幼稚園から高校までの学校全部でもTOP3の一人)に現場に来てもらい確認してもらったのですが…
上司にことごとくダメ出しをされる
「冷蔵庫?あるんだし、当面コレで充分です。
圧力鍋とジューサー、レンジね…考えておくわ。
水切りかご?前の住人のときに買ったはずなのに。おかしいわねえ。
ハンモック?ここに?天井落ちるわよ。無理ね。
椅子?何のために?(カウンターの椅子を指して)これで充分じゃない。・・・」
あれ?今回のテーマは『NOと言えないメキシコ人』でしょ?
バリバリNoって言ってますがな。おかしいじゃん!
そう思うアナタは正しいのです。
ですがアタシも正しいのです。
だって、彼女は幼稚園から大学まで、全部アメリカ側で暮らしアメリカの学校を出ている国籍はメキシコだけど中身は100%アメリカ人だから!
ともかく。か細い声でアタシが
「いや、でもこの冷蔵庫、冷凍庫がないので使い勝手が…」
と、恐る恐るお願いしてみても、
「とりあえず、アッチの家(元住んでいた方)の冷蔵庫は大きいから二人で充分使えるでしょ。」
はい。ごもっとも。
彼女が去った後、アンドレイはさすがに気の毒に思ったのか※ヤツの方がいろいろ買うことにコーフンしていたのだが
「ともかく僕たちが修理できる部分はちゃんとやるからさ!カーテンはボクの母は布をいっぱい持ってるから、好きな柄を選んでくれ!ところで、本当に壁は塗り替えなくっていいのか?…」
いろいろ慰めてくれました。
てかキミ、単に壁塗りがしたいだけだろ!?
「うん。そうだね。ありがとう。
とりあえずハンモックは玄関ポーチがダメなら、この木でいいや。取り付けやすいようにフック付けてくれる?」←諦めるという言葉は私の辞書にない
「おやすい御用さ!」
これが4月末のことでした。
そして2ヶ月後の現在・6月末。
ソファは壊れたまま。
※後ろの足が取れてる
ミニテーブルもこのまんま。
※天板割れててテープで仮止め状態
カーテンはとりあえずの布を画鋲で貼ったまま。
※母の秘蔵のたくさんの布?何だそれは。
ハンモックのフックにいたっては…
そこ、物干し場所となってますっ!
僕たちができるところはすぐにやるだぁ?
何一つやってないんですけ怒っ!
ついでにいうと、上司が考えておくと言った圧力鍋・ジューサー・レンジ、水切りかごも、どれひとつ買ってくれてません。
※水切りはこの状態
アンドレイは会う度に、「椅子を直しにいかなきゃなぁ〜」とか言うんですけど、それ、
アタシの顔見て今思い出したでしょ!
※そしてすぐ忘れるのくり返し。
出来ないなら出来ないって言ってくれ
へんに「すぐやる!」とか「わかった!」とか言われちゃうと、こっちは待ってしまうのよ。いっそのこと「忙しいからできない!」とか「金ないからやらない!」とか言ってもらえた方がありがたいんだけど。
じゃあどうするか、次の手が打てるからさ。
さすがに友達呼びたいのにソファに座れないのは何なので、
「トンカチ貸して。自分で直すから」
と、アンドレイに伝えたら、そんな怪我をする!やめろ!わかった。すぐ直す!
…で、また放置。
この国では家の修理などは基本オトコの役目で、そこをオンナにやられると、ちょっとオトコの沽券に関わる…みたいなところがある(良くも悪くもマッチョの国)のは、前の夫でとか、いろいろ理解はしてるんだけど。
さらに、この「沽券」をメキシコはめっちゃたくさんお持ちなのも、分かってはいるんだけど。
【沽券にかかわるの語源・由来】 「沽券」とは土地や家屋など売り渡し証文のことで、「売券」や「沽却状(こきゃくじょう)」とも言われる。 江戸時代頃から、「売値」の意味で用いられるようになり、さらに「人の値打ち」「品位」などの意味で使われるようになった。
沽券に関わる - 語源由来辞典より引用
例)
道を聞いても「知らない」というのは沽券に関わる→ウソを教えてくれる
「できない」は沽券に関わる→それよりは(やると言った)約束を破る
「行けない」は相手に失礼→やはり約束を破る(約束とも思ってない)
…万事がこんな調子である。
あああ!めんどくさい。
まあ、言ってるときはやるつもりもちょっとはあったり、悪気はないってのも分かってはいるんだけどね〜…
…今度用務員室にトンカチ盗みに行こう。
で、さすがにカーテンはつけました
だってこれね。実は寝室なのね。
で、ベッドでゴロ寝してると、この上の開いているところから中学の2階の窓が見えるワケでして(学校の敷地内に家がある)。
ってことは、中学からコッチ、見えてるんじゃん?
さすがにこれはもう待っていられないな、と思いまして。
なるべく真っ直ぐな枝を拾ってきて、やすりがけし(紙ヤスリは以前箸を作るために用務員さんにもらってる)、その辺のヒモと毛糸を編んで天井からぶら下げ、布を取り付けました(布だけは買った)。
せっかく2ヶ月待ったので、どこまでも待ってみたい気もちょっとありましたが、まあ、ここはしょうがないかな〜という感じです。
ここまで読んで、そんな不便なら自分でさっさといろいろ買えばいいじゃん、と思われた方もいると思うんですが、
- 住居の準備は学校の責任
- ここは終の住処ではない仮の宿
- 単に貧乏性
という諸理由の上に、自分の基本姿勢が
「無いなら無いで、無いように暮らして行く。中途半端に持つくらいなら無い方がまし」
だからなんですね。
この考えの応用範囲は幅広く、
- つまんない本なら読まない方がマシ
- つまんない人なら付き合わない方がマシ
- つまんないオトコなら居ない方がマシ
- つまんない首相なら信楽焼のタヌキの方がマシ
…と、どこまでも切り捨てゴメンのミニマリスト一直線。で、その反動で、めちゃくちゃどーでもいいモノやめちゃくちゃつまんないオトコに引っかかったりする、所詮つまんないオンナなワケなんですが。
まあ、それはさておき。
今回はちょっとやる買う詐欺にドリーム見ちゃったんですね〜…反省反省。
で、チョコアイスはどーなったの?
ああ、そうでした。
直近の被害はチョコアイスだったのでした。
ただ、ここまでですでに3000字を超えてしまったので、すみません。別記事に分けようと思います。
ついでにこちら、現在進行中のネタでして。
もうちょっと後の方がより具体的にお話も出来そうですし。
とりあえず現状写真だけ。こちらです。
続き書きました!こちらです。
チョコアイスの1週間【NOと言えないメキシコ人2】
◉関連記事・イイカゲンメヒコ三連発◉
イイカゲンがいい加減?【メキシコ事情2005夏日記】ここでは日本に置いてきたジューサーミキサーが映ってる…泣
あなたはそれをクチに出来る?【メキシコ常識事情】うがい手洗い何それ?